編集と同時にWebストリーム配信(StraemFactory

リアルタイムエンコードと送出

2001-01-29

尾上泰夫

今回は、番組コンテンツを深く視聴者に浸透させる道具として、インターネットを利用する「しかけ」を想定して見たい。

どのような切り口で、番組をインターネットでのストリーミング映像で露出する事が有効になるのだろう。

1:番組宣伝として事前に本編のつかみをリークする。

2:出演者のファンクラブに向けて登場シーンのダイジェストをリークする。

3:動く番組表のEPGを構成する要素データとしてリンクする。

4:スポンサーとの商品タイアップでクリップを立体的に利用。

5:放送時間に、同時にインターネットでもライブ放送して、テレビへ誘導する。

6:番組アーカイブとして保存、ポータルサイトから検索に対応する。

7:セルビデオ、DVDなどの番組再商品化のプロモーションと連動する。

8:他国籍メディアへ番組販売のチラシ的用途のサムネールを提供する。

インターネットのネットワークを利用することで、番組コンテンツを表現するクリップは、わずかな編集作業だけで様々な利用用途へ多角的に、しかも低価格でおこなうことができる。

インターネットのページを飾る映像は、映像としての品質の問題よりも、露出機会と、タイアップメリットを商品化することで、新たなビジネスチャンスが生まれようとしている。

これらのことは番組に限ったことではなく、映像コンテンツ全てに通用する利用方法であるかもしれない。

多様な露出機会を支えるためには、スピーディーで簡単なエンコードシステムの常設をビデオスタジオは真剣に考えるべき時代になっているのだ。

従来のエンコードシステムではホームユースを意識した低価格な構成ゆえに、ビデオスタジオでのインターフェースに民生の規格で接続することになる。

また、フリーのソフトを中心に考えたエンコードシステムは、同時に複数の処理を行うことが困難で、結果的に複数システムの煩雑化で苦労することになる。

業務用途を目指したエンコードシステムで、テレビ番組からWebCastのデータを切り出すエンコード作業に注目して見たい。

それでは処理の手順から見てみよう。

私たちが普段制作する番組はD1D2などのデジタルビデオテープに収められ納品するケースが圧倒的だ。このようなデジタルテープから再生してエンコードする場合でも、ノンリイア編集システムから直接エンコードする場合でも、SDIなどのインターフェースを介してコピーを行うことが品質劣化を最小限にするために効果的だ。

どうせ、圧縮してしまうのだからと、安直な方法をとると痛い思いをすることになる。

圧縮作業は品質の高い素材ほど効果的なのだ。

画面が寝ぼけてくると、圧縮がかかりにくいばかりでなく、輪郭も曖昧さが増してくる。

来るべきブロードバンド時代に向けて、出来るだけ品質を高く保ち、様々な工夫や処理を加えた作品を、綺麗にネットワーク配信するためには、高品質なデジタルデータのままエンコーダーへ引き込めるインターフェースが必要なのだ。

今回紹介する「StreamFactory」は、編集スタジオや、中継車、放送局の副調整室に常設しておきたい業務用ビデオエンコーダーだ。

ラックマウントで1Uしかない省スペース設計のStreamFactoryは、スタジオで邪魔にならない。操作はネットワークで接続したパソコンのHTMLブラウザーからコントロールできるので、どこからでも運用できる。

入力できるビデオフォーマットはSDIDV、アナログではβカムコンポーネント、YCコンポーネント(S端子)、コンポジットと多彩だ。DV入力の口(IEEE1394)も用意されているが、これはオプションのDVコーデックチップの搭載されたドータボードを必要とする。

オーディオもSDIエンベットや、AES/EBU、アナログではキャノンコネクターのバランス接続、ミニステレオプラグのアンバランス接続などが選択できる。

エンコードの選択では、RealVideoと、WindowsMediaを同時に稼動する事が出来る。

つまり、2種類のフォーマットのストリームデータを同時にエンコードできるのだ。

しかも、ライブでそれぞれのサーバーへ送出するだけでなく、オンデマンド用のストリームデータも同時に作って保存することが出来る。もちろん2種類のフォーマットのファイルがリアルタイムで出来てしまうのだ。

従来では、それぞれのフォーマット毎に別のエンコーダーシステムを用意して、ライブ送出と、オンデマンド用のファイルも別システムで行うか、ライブの記録をVTRなどで行い、再度そのデータをオンデマンド用にエンコードする必要があった。

StreamFactoryではオンデマンド用のファイルを、その場でCD-ROMへ焼き込めるようにCD-Rも標準で装備されている。

放送業務以外にも、会社、スタジオ、および教育現場でのwebcastingのために最適なリアルタイムのウェブ・メディア・エンコーダーだ。これは一見の価値が在る。

弊社のビデオサーバーと、映像データベースを組み合わせたシステムと、多様な映像クリップを簡単、迅速に生み出すStreamFactoryのソリューションを、常時デモが行えるので、ぜひ自分の目で確かめてほしい。

本体価格:\1,540,000_


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