バーチャルエージェント市場の提案


様々な素材や作品の商品化を述べてきたが、最も基本となるのがスタッフの個人技能ではないだろうか。商品としての映像を支える専門分野をもった多くのスタッフとの交流にデジタルネットワークは最適の環境だ。様々なノウハウをデジタルデータ化することによって、その再利用に対する権利を商品化できる。
オーダーメイド作業の日当から、生産済みパーツ商品の個別利用権販売へ。
これは制作者がもっと主張をしなければならない権利だと考えます。
最近ではカメラのセットアップ情報をメモリーカードへ保存ができるものが出てきた。そのほか多くの技術情報がデータとして存在するが、それらの価値を制作者は軽視しすぎていないだろうか。たしかに元々技術的な要望で保存されている数値だが、ノンリニア編集で作られる編集プログラムは、そのまま比較的パターン化された作品の雛型づくりに貢献する。固有の商品カットや、背景素材、ナレーション素材を変更するだけで編集作業は微調整で完成だ。ロジカルな展開をするマニュアルや、定型の撮影記録にはもっと利用されていい機能(現時点ではメディアファイルの管理に多少ノウハウが必要だが)だ。デジタルで再利用可能なものは、なにも画像ばかりではないのだ。
さきほど発表されたソニーのDVCAMには、撮影時にインデックスとなる静止画とアドレスを記録する機能が搭載された。ノンリニアシステム(SONY EditStation)への制作情報として有効な方法だ。さらにメーカーへお願いしたいのは制作情報の有効活用が計られるようにインプット/アウトプット部をオープンにして、文書情報、数値情報などの様々な利用の可能性を拡大していただきたい。これらのデジタル情報の中に個人の技能というノウハウが蓄積していくのだから。

 




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