「SDTVとHDTV規格の違い」

FourTwoTwoCompany <http://www.ftt.co.jp>
尾上泰夫 <onoe@ftt.co.jp>

SDTVとは、標準な解像度SD(スタンダードディフニッション)を示し、高精細・高画質のハイディフニッションテレビジョン(High Definition Television)がHDTVの略称である。

「放送方式について」

放送方式としては1080i及び720P方式がこれにあたる。
480iは有効走査線数が480本のインターレース(飛び越し走査)方式のことだ。
有効走査線数とは、実際に画面を構成する走査線数で、画面外の走査線を含めた走査線の全数は525本になるのが従来のSDTVの放送方式である。
1080iは、有効走査線数が1080本のインターレース(飛び越し走査)方式のHDTVのことで、画面外の走査線を含めた走査線の全数は1125本になる。
720Pは地上デジタルのもう一つの方式で、有効走査線数が720本のプログレッシブ(順次走査)方式で、画面外の走査線を含めた走査線の全数は750本になり、 この方式もHDTVの放送方式だ。


HD規格そのものが日本で今までのハイビジョンと呼ばれていたものと変化している。日本が最初に実用化したNHK方式のハイビジョンが変わり、HDTVが、次世代のハイビジョンと言われている。
日本やヨーロッパに対して、HDTVの開発で遅れをとったアメリカでは、デジタルHDTVを含むデジタルハイビジョンDTVの放送方式の決定をめぐって長い間、宇余曲折を繰り返してきたが、1996年暮れにやっとDTVの規格が決まった。
98年になると、家庭用のデジタルテレビの最初のモデルが一斉にCES(家庭用エレクトロニクス・ショー)で展示され、11月からは10大都市でDTVの本放送が開始されることになった。
87年にATV(次世代テレビ)の独自規格を決める動きが具体化してから、12年目のことである。これで日本以外の国で初めてHDTV放送が行われることになった。

「画面縦長比率について」
HDは、画面の縦横比率も変わってきた。3対4の標準の絵像に対して9対16を使うのがHDTV。これが特徴と言える。
横長の状態の絵像で横に広く見えることにより、人間の視野角の落ち着きの良いところに映像が置かれる所にメリットがあり、窓を覗いている感じのSDに比べて実際に外で景色を眺めているような感覚を味わえるのがHDTVと言われる。

「HDVとは?」
HDVとは、家庭用のDV規格カセットテープを用いて高精細なデジタルハイディフィニション(HD)映像の記録再生を可能にする。「HDV規格」には、720p(プログレッシブ)方式と、1080i(インターレース)方式があり、世界のHDインフラに幅広く適合している。
日本国内におけるBSデジタルハイビジョン放送及び地上デジタル放送や、各国でHD放送の拡大が見込まれており、また、それに伴うHDテレビの普及、「デジタルハイビジョンビデオ(D-VHS)」や「ブルーレイディスクレコーダー」の発売など、家庭でHD映像を楽しむ環境がますます充実してくる。

 「HDV規格」は、キヤノン株式会社、シャープ株式会社、ソニー株式会社、日本ビクター株式会社の4社の共同で、現在全世界で普及している民生用デジタルVCR規格「DV規格」をベースとしながら、MPEG2で圧縮されたHD信号のデータ記録仕様を新たに定めたHD VCR規格だ。DV規格と同じカセットやテープスピード、トラックピッチを採用しているため、ドラムやカセットコンパートメントなどの主要メカニズムは、DV規格のものをそのまま利用することが可能となり、既存のDV規格の商品と高い親和性を持った商品設計が可能。
映像は、BSデジタル放送などで採用されているMPEG2方式(フレーム間圧縮)によりデータ量を圧縮し、DV規格SD仕様(フレーム内圧縮)と同等のビットレートで、高精細なHD映像の記録再生が可能となる。音声はサンプリング周波数48kHz/量子化ビット数16ビットの信号を、MPEG1 Audio Layer II方式で384kbpsに圧縮して記録する。

「コラム」
今後、「SDからHD」、「HD からSD 」への画角変換がよく行われる事になる。
@ SDからHDへの変換をアップコン(アップコンバート・U/C)という。画角を4:3から16:9に変換し、走査線数を増やす。
A HD からSDへの変換をダウンコン(ダウンコンバート・D/C)という。画角を16:9から4:3に変換し、走査線数を減らす。